品質管理
Photo Gate — 重要工程を証拠に残す
塗装工事の品質は、完成後に見て判断することができません。 下地処理を省いても、3回塗りを2回で終えても、塗り上がった直後の見た目はほとんど変わらないからです。
Photo Gate は、この「あとから確かめにくい」という構造を改善するための仕組みです。 写真を撮って報告書に貼るだけではなく、案件ごとに必要な確認項目と記録方法を決め、問題が見つかった場合は是正内容と確認結果まで残すことを重視します。
工程ごとの記録が不足している場合や、確認事項に問題がある場合は、そのまま完了扱いにせず、 必要な追加記録・是正・再確認を行います。
8つのゲート
着工前(契約・計画)
書面着工の前提条件をそろえる
- —工事範囲・対象外・追加工事の扱い
- —工程表(着手日・各工程・完了予定日)
- —施工主体・契約主体・責任分担の確認
- —施工要領・メーカー仕様など、案件で必要な施工条件
- —必要な許認可・資格・保険の確認記録
- —Photo Gate の確認項目・記録担当
- —近隣対応など、案件ごとに必要な事前準備
確認基準:重要な前提条件に未確認事項を残したまま着工判断をしません。
着工前現況
6枚以上「元がどうだったか」を確定させる
- —建物4面の全景
- —ひび割れ・剥離・カビ・錆など、劣化が確認された箇所の接写
- —既存のシーリングの状態
- —足場を組む前の外構・植栽・カーポート等の状態
確認基準:施工前の状態が争点にならないよう、施主・工務店・JPconst の三者が同じ記録を持ちます。
下地処理・足場
5枚以上最も手抜きが起きやすい工程
- —高圧洗浄の前後(同じアングルで撮影)
- —ケレン・研磨の実施状況
- —ひび割れ補修・シーリングの撤去と充填
- —足場の組立状態、飛散防止ネットの設置
- —養生(窓・玄関・室外機・車両・植栽)
確認基準:洗浄前後は必ず同一アングル。角度が違う写真は「洗浄後」として認めません。
下塗り
5枚以上仕様どおりの製品が使われているか
- —使用した下塗り材の缶・ラベル(製品名が読める状態)
- —下塗り施工中および施工後の各面
- —塗り残し・吸い込みムラの確認
確認基準:見積書に記載した製品と、写真に写っている製品が一致していること。
中塗り
5枚以上「3回塗り」を検証可能にする
- —使用塗料の缶・ラベル
- —中塗り施工後の各面
- —見切り・端部の処理
- —塗りムラ・色ムラの確認
確認基準:中塗りと上塗りを別工程として撮影することで、実際に重ね塗りされたことが記録から確認できます。
上塗り
6枚以上仕上がりと隠蔽
- —上塗り後の建物4面全景
- —下地の透け(隠蔽不足)がないかの接写
- —付帯部(破風・軒天・雨樋・雨戸等)の仕上がり
確認基準:下地が透けている箇所が1つでもあれば不合格とし、是正後に再撮影します。
完了検査・手直し
8枚以上指摘した箇所が本当に直っているか
- —是正指示を出した箇所の「是正前」「是正後」の対比写真
- —足場解体後の全景
- —清掃・原状回復(外構・植栽・近隣路面)
確認基準:是正指示に対して「是正後」の写真が1対1で対応していること。口頭の報告では完了としません。
引渡し
4枚+全ゲート分記録をお客様の資産にする
- —引渡し時の建物全景
- —G0〜G6 の全記録をまとめた Evidence Pack
- —契約上の保証・注意事項(該当する場合)
確認基準:必要な工程記録と是正履歴をまとめ、Evidence Packとして引き渡せる状態にします。
Photo Gate の役割
Photo Gate は、施工の重要工程を後から確認できるようにするための品質管理・証拠管理の仕組みです。 写真だけで施工品質や法令適合を保証するものではありません。
工種や案件によって、写真では判断できない確認事項があります。 その場合は、施工会社の確認記録、必要な現場確認、メーカー仕様、資格者による確認などを組み合わせます。
案件開始前に決めること
- —実際の施工主体・契約主体・責任範囲
- —工事範囲と対象外、追加工事の扱い
- —工程ごとの確認項目と記録担当
- —必要な許認可・資格・保険の確認方法
- —Evidence Packに含める写真・記録・是正履歴
- —保証・支払・キャンセル等、案件ごとの契約条件